医療ニュースより

●出産時の圧迫法事故、再発防止を…

出産事故で脳性麻痺になった子供に補償金を支払う産科医療補償制度では、これまでに補償対象になった319例のうち56例(18%)で、出産時に妊婦のおなかを手で圧迫する方法がとられ、うち3例が脳性麻痺の原因になったことが分かりました。

この制度を運営する日本医療機能評価機構が2014年4月14日、319例を分析した再発防止報告書を公表し、報告書は、どのような場合にこの手法を採用するか、押し方 の基準づくりなどを日本産科婦人科学会などに提言しました。

同学会は4月15日に公表される新しい産科診療指針に注意点を明記する予定です。この手法は「クリステレル胎児圧出法」と言い、1867年にドイツの医師が考案しましたが具体的なルールがありませんでした。

 

●5人に1人が糖尿病

可能性を否定できない予備軍を含めると日本人の成人の5人に1人が糖尿病と言われていますが、実際に治療を受けているのは患者の3分の2程度と推測する医師もいます。痩せている人でも糖尿病になることもあり、早くに治療を開始すると合併症も減ります。良い新薬も出ているので定期的に健診を受け、早期に発見し治療を受けることが重要です。

 

●医学部新設に反対声明

政府が進める国家戦略特区で国際的に活躍できる医師や研究者を養成する医学部新設が検討されています。しかし、全国80の国公私立大で作る全国医学部長病院長会議は、「世界トップレベルの研究者の養成は医学部よりも大学院の役割」「海外の全ての医療ニーズに対応できる医師養成は非現実的」などとする反対声明を発表しました。

国家戦略特区は経済活性化のため地域に限定して規制緩和を進めるものです。先月特区指定が決まった東京圏では、千葉県成田市国際医療福祉大学(栃木県大田原市)が関係会議に医学部構想を提案しました。